YouTubeアナリティクスの基本

YouTubeアナティリクスの基本

アナリティクスとは何か

YouTubeアナリティクスは、YouTubeが公式に提供している無料の「チャンネル健康診断ツール」です。

あなたのチャンネルや動画が「どれくらい見られたか」「どんな人が見ているか」「どこで離脱されたか」といった詳細なデータを確認できます。
YouTube Studioから無料で利用でき、視聴者の行動データや動画の再生状況を詳しく把握できます。

 

何が分かるツール?それぞれの役割を解説

検索意図として多い「何がわかるの?」という疑問に対する答えは以下の通りです。

YouTubeアナリティクスでは、以下のような情報を確認できます。

YouTubeアナティリクスの基本用語

これらのデータを分析することで、どんな動画が伸びやすいか、視聴者が何を求めているかが明確になります。

 

4つの基本用語

分析を始める前に、頻出する4つの用語を押さえましょう。

  • インプレッション数
    YouTubeのホーム画面やおすすめ、検索結果などで、あなたの動画のサムネイルが表示された回数です。
    表示されただけでカウントされるため、クリックされなくてもカウントされます。
  • CTR(クリック率)
    インプレッションのうち、実際にクリックされた割合です。
    例えば、100回表示されて10回クリックされた場合、CTRは10%になります。
    魅力的なサムネイルとタイトルほどCTRが高くなります。
  • 視聴維持率
    動画全体のうち、どれだけの割合が視聴されたかを示す指標です。
    例えば10分の動画で平均5分視聴された場合、視聴維持率は50%です。
    視聴者を引きつける動画ほど、この数値が高くなります。
  • ユニーク視聴者数
    あなたの動画を視聴した推定視聴者数です。
    同じ人が複数回視聴しても1人とカウントされます。
    視聴回数とは異なり、リーチした人数の規模を把握できます。

 

「誰が見たか分かる?」「バレる?」の結論

よくある懸念ですが、YouTubeアナリティクスで「誰が見たか(個人名や特定のアカウント)」がバレることは絶対にありません

あくまで「20代男性」「日本からのアクセス」といった統計データとして表示されるため、視聴者のプライバシーは守られています。
IPアドレスなども表示されません。

アナリティクスに表示されるのは、年齢層、性別、地域などの統計データのみで、「誰が」「いつ」視聴したかという個人情報は一切表示されません。
視聴者のプライバシーは保護されており、チャンネル運営者側から個人を特定することは不可能です。

 

公開・非公開の扱い

YouTubeアナリティクスのデータは、チャンネル運営者(管理者)のみが見られる非公開情報です。
他人があなたのアナリティクスデータを見ることはできません。

ただし、視聴回数やチャンネル登録者数などの一部の情報は公開されています。
詳細な分析データ(視聴者の年齢層、トラフィックソースなど)は非公開で、あなただけが確認できます。

自身のSNSやブログで実績としてスクリーンショットを公開することは規約上問題ありません。
収益額の詳細な公開にはAdSense規約による制限がありますが、再生回数、CTR、視聴維持率などの収益以外のアナリティクスデータは規約上公開可能です。

 

YouTubeアナリティクスの開き方

パソコンで詳細な分析を行う場合は「YouTube Studio」を使います。

「YouTube Studio」の詳しい使い方についてはこちらYouTubeスタジオを徹底解説!海外向け発信を加速させる活用術で解説しています。

 

アナリティクスの各画面の基本的な見方

アナティリクスの見方

概要タブ

YouTubeアナティリクスの概要

チャンネル全体の健康状態を一目で確認できる画面です。

視聴回数

特定期間内に動画が再生された回数です。
「実際の再生数と違う」と感じることがありますが、ここには確定値が表示され、リアルタイム数値とはズレが生じます。
この数値は、YouTubeの不正検知システムにより調整されることがあり、一時的に表示される数値と最終的な数値が異なる場合があります。

 

視聴時間(総再生時間)

すべての動画の総視聴時間です。
収益化条件(過去12か月間で4,000時間以上、またはショート動画90日間で1,000万回以上)に関わる重要指標で、YouTubeのアルゴリズムは視聴時間を重視しているため、この指標を伸ばすことが重要です。

 

推定収益

YouTubeパートナープログラムに参加し、広告収益を得ているチャンネルの場合、期間ごとの推定収益が表示されます。
確定額は毎月の支払いレポートで確認できます。

 

チャンネル登録者数

期間内のチャンネル登録者数の増減が表示されます。
どの動画がチャンネル登録につながったかも確認できます。

 

リアルタイム分析

リアルタイム分析では『過去60分』と『過去48時間』の2つの期間を切り替えて確認できます。
動画公開直後は『過去60分』、数時間〜1日後は『過去48時間』を使い分けると効果的です。

 

コンテンツタブ(動画ごとの分析)

 

YouTubeアナティリクスのコンテンツタブ

動画が伸びた原因、伸びなかった原因を探る最重要パートです。

インプレッション

あなたの動画のサムネイルがYouTube上で表示された回数です。
この数値が高いほど、YouTubeがあなたの動画を推薦していることを意味します。

 

クリック率(CTR)

インプレッションのうち、実際にクリックされた割合です。
サムネイルの良し悪しを判断する指標で、一般的に、CTRが4〜10%程度あれば良好とされています。
CTRを上げるには、魅力的なサムネイルと興味を引くタイトルが重要です。

 

平均視聴時間

視聴者が1回の視聴で平均何分動画を見たかを示します。
この数値が長いほど、視聴者を引きつけるコンテンツだと言えます。

 

視聴維持率

動画のどの時点で視聴者が視聴を続けているか、またはどこで離脱したかを確認できます。
グラフで視覚的に表示され、グラフがガクッと下がっている箇所が離脱ポイントです。

視聴維持率が高い動画は、YouTubeのアルゴリズムから高く評価され、おすすめに表示されやすくなります。
最初の30秒で視聴者の興味を引くことが特に重要です。

 

関連動画からの流入

「トラフィックソース」で確認できるデータの一つで、他の動画を見た後におすすめとしてあなたの動画が表示され、クリックされた回数です。
「この動画の視聴者が再生した他の動画」から流入があると、爆発的に伸びる傾向があります。
関連動画からの流入が多い動画は、YouTubeのアルゴリズムに評価されており、さらに伸びやすい傾向があります。

視聴者タブ

YouTubeアナティリクスの視聴者タブ

ターゲットに動画が届いているかを確認します。

年齢・性別

視聴者の年齢層と性別の分布が確認できます。
これはGoogleアカウントの登録情報に基づきます。

「子供向け動画なのにデータが出ない」場合は、子供用アカウント等のプライバシー保護で非表示になっている可能性があります。
ただし、視聴データが一定数に達していない場合や、プライバシー保護のために表示されないこともあります。

年齢・性別データは、視聴者がGoogleアカウントで設定している生年月日・性別情報から算出されます。
ログインしていない視聴者や、生年月日を設定していないユーザーのデータは含まれないため、表示されるデータは全体の一部の推定値です。

 

リピーター

あなたのチャンネルの動画を複数回視聴している視聴者の割合です。
チャンネル登録には至らなくても、何度も見てくれるファン層です。
この数値が高いほど、熱心なファンがいることを示します。
リピーターを増やすことは、チャンネル成長に非常に重要で、ここが増えると登録者増につながります。

 

アクティブ時間帯

視聴者がYouTubeを利用している時間帯が表示されます。
グラフの色が濃い時間帯に動画を投稿すると、初速が伸びやすくなります。
この情報を活用して、視聴者が最も活発な時間帯に動画を公開することで、初動の再生回数を増やせます。

 

よくあるトラブルとエラーの解決

YouTube アナリティクスで「視聴回数が合わない」「データが表示されない」といったトラブルに遭遇することがあります。

実は、これらの多くはYouTubeの正常な仕様であり、故障ではありません。

YouTube アナリティクスのトラブル完全解決ガイド:よくあるエラーと対処法を徹底解説では、クリエイターが直面しやすいアナリティクスのトラブルを徹底解説します。
視聴回数のズレは、ボットや不正な再生を排除するために意図的に設計されたシステムの動作です。
動画ページとアナリティクスの数値が異なるのは、段階的な検証プロセスによるもので、24〜48時間で安定した値に落ち着きます。

また、データ反映の遅延も種類によって異なり、基本的な視聴回数は数分〜数時間、デモグラフィックデータは24〜48時間、収益データは翌日以降が目安です。
年齢層や地域などのデータが表示されない場合は、視聴回数が不足しているか、プライバシー保護措置が働いている可能性があります。

本記事では、各トラブルの原因から具体的な対処法、YouTubeへの報告方法まで、実践的なノウハウを網羅。
短期的な数値変動に振り回されず、長期的なトレンドを見ながらチャンネルを成長させるためのヒントが満載です。

 

地域・年齢・国別などの詳細データの見方

詳細データの見方

地域(都道府県が表示されない?)

「国」レベルのデータは表示されますが、都道府県レベルのデータは表示されないことが多いです。

視聴者の地域データは「視聴者」タブの「地域」セクションで確認できます。
国別のデータは比較的表示されやすいですが、都道府県レベルの詳細データは、十分な視聴回数がないと表示されません。

都道府県が表示されない場合は、視聴者数が少ないか、プライバシー保護のために非表示になっています。
これもプライバシー保護の観点で、十分な母数がない限り詳細な地域データは非公開化されます。
日本国内向けチャンネルなら「日本」からのアクセスが99%であれば問題ありません。
視聴回数が増えるにつれて、より詳細な地域データが表示されるようになります。

国別表示の条件

国別データは比較的早い段階から表示されますが、それでも最低限の視聴回数が必要です。
一般的に、数十回以上の視聴があれば国別データが表示され始めます。

年齢・性別データ

年齢と性別のデータも、一定の視聴回数に達しないと表示されません。
また、視聴者がログインしていない場合や、Googleアカウントで年齢や性別を設定していない場合は、データに含まれません。

そのため、表示される年齢・性別データは、実際の視聴者全体の傾向を示す推定値として捉えるのが適切です。

視聴者のアクティブ時間

「視聴者」タブで、視聴者がYouTubeを利用している時間帯を確認できます。
この情報を活用して、視聴者が最も活発な時間帯に動画を公開することで、公開直後の視聴回数を最大化できます。

例えば、視聴者が平日の夜8時に最も活発な場合、その時間帯に動画を公開すると、初動の再生回数が伸びやすくなります。

 

アナリティクスのデータを活かしたチャンネル成長戦略

YouTube Studioのアナリティクスには、チャンネルを成長させるヒントが数多くあります。

アナリティクスのデータを活用すると、チャンネル成長戦略を立てることができます。

詳しくはこちらYouTubeアナリティクスのデータを活かしたチャンネル成長戦略で解説しています。

CTR(クリック率)や視聴維持率など、伸びる動画に共通する重要指標の見方から、データに基づいた動画企画の立て方まで、具体的な改善方法をご紹介。

「作りたい動画」ではなく「データが求めている動画」を作ることで、再生回数とチャンネル登録者数を効率的に伸ばせます。
視聴者が検索しているキーワードの抽出方法、過去に伸びた動画の共通点分析、最適な投稿時間の見極め方など、すぐに実践できるテクニックも解説しています。

 

Q&A(よくある質問)

Q1. アナリティクスで”誰が見たか”分かりますか?

いいえ、分かりません。YouTubeアナリティクスには、個人を特定できる情報は一切表示されません。
個人情報や特定のアカウント名は完全に非表示です。
表示されるのは年齢層、性別、地域などの統計データのみで、「誰が」「いつ」視聴したかという個人情報は保護されています。

Q2. 視聴回数が実際と違うのはなぜ?

YouTubeは不正な視聴(ボットによる再生、短時間の連打、繰り返し再生など)を検知し、それらをカウントから除外しています。
YouTube側が「無効な再生(ボットや短時間の連打)」を検証・削除しているため、またサーバー反映の遅延によりズレが生じます。
そのため、一時的に表示される視聴回数と、検証後の最終的な視聴回数にズレが生じることがあります。
また、データの反映に数時間から最大48時間程度の遅延が発生することもあります。数日経つと正確な値に落ち着きます。

Q3. 他人のアナリティクスを見る方法は?

公式には不可能です。公式機能では不可能です。
YouTubeアナリティクスの詳細データは、チャンネル運営者のみがアクセスできる非公開情報です。
ただし、Social BladeやVidIQなどの外部ツールを使えば、公開されている情報を基にした推定値を確認できます。
推測値を見るのが限界です。

Q4. 年齢・性別データが表示されない理由は?

視聴データが一定数に達していない場合、個人の特定を防ぐためにデータが非表示になります。
視聴データ数が少ない場合、個人の特定を防ぐためにデータが非表示になります。
プライバシー保護のために年齢・性別データは非表示になります。
チャンネル規模が大きくなれば表示されるようになります。
視聴回数が増えるにつれて、これらの詳細データが表示されるようになります。

Q5. 地域が表示されないのはなぜ?

視聴者数が少ない場合、プライバシー保護のために地域データは非表示になります。
国別データは比較的表示されやすいですが、都道府県レベルの詳細データは、十分な視聴回数が必要です。

Q6. 反映されるまでどれくらい?

通常、アナリティクスのデータは数時間以内に反映されます。
基本データは数時間遅れ、詳細データや収益は最大48時間(2日)程度の遅れがあるのが通常です。
ただし、動画公開直後や大量のアクセスが発生している場合は、最大で48時間程度かかることもあります。
リアルタイムデータは比較的早く更新されますが、詳細な分析データには若干の遅延があります。

最終まとめ

YouTubeアナリティクスは、チャンネルを成長させるための最も重要なツールです。
ただ数字を眺めるものではなく、「次の動画を伸ばすための答え合わせ」をする場所です。
データを正しく読み解き、改善につなげることで、確実にチャンネルを伸ばすことができます。

  • YouTubeアナリティクスを使いこなせば”何が伸びるのか”が明確になる
    アナリティクスを見れば、どの動画が視聴者に受け入れられているか、どこに改善の余地があるかが一目瞭然です。

    何が伸びるのかは、アナリティクスの中にある。感覚ではなく、データに基づいた判断ができるようになります。
  • クリック率・視聴維持率・トラフィックが伸びのカギ
    この3つの指標を改善することが、チャンネル成長の最短ルートです。

    魅力的なサムネイルとタイトルでクリック率を上げ、質の高いコンテンツで視聴維持率を高め、YouTubeのアルゴリズムに評価されてトラフィックを増やす。
    サムネイル(CTR)と動画の中身(視聴維持率)を改善し続ける。このサイクルを回すことが重要です。
  • スマホでもPCでもチェック可能
    YouTube Studioアプリを使えば、外出先でもアナリティクスを確認できます。

    毎日のチェックはスマホアプリ、深い分析はPCで、日常的なチェックはスマホで、詳細な分析はPCで行うのが効率的です。
  • トラブルは”表示されない・反映されない・ズレる”が多い
    多くのトラブルは、データの反映遅延やプライバシー保護による非表示が原因です。

    トラブルの多くは「反映遅れ」か「データ不足」なので焦らない。
    視聴回数が増えるにつれて、より詳細なデータが表示されるようになります。
  • 分析→改善→投稿のサイクルを回すことで確実に伸びる
    YouTubeで成功するには、継続的な改善が不可欠です。

    アナリティクスで現状を把握し、データに基づいて改善し、新しい動画を投稿する。
    「分析→仮説→動画投稿→検証」のサイクルを回し続ければ、YouTubeチャンネルは確実に成長します。
    このサイクルを回し続けることで、チャンネルは着実に成長します。

今日からアナリティクスを活用して、あなたのYouTubeチャンネルを次のレベルに引き上げましょう。
まずは今日、自分のチャンネルの「視聴維持率」を確認することから始めてみましょう。

 

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